カーボンクリンチャーホイール考察

タイトルに関して先日、ショッキングな事案が発生しましたので注意喚起の意味で記事にさせていただきます。

■ 事案内容
オランダのホイールブランドFFWD(ファストフォワード)のカーボンクリンチャーホイールF4R-FFCを使用していたT氏。ヒルクライムレースのダウンヒル時にリム(フロント)が突然破損しました。

■ 破損時の状況
ヒルクライムレースへ参戦した方はご存知とは思いますが、ダウンヒルの際は安全のために集団の先頭に[先導車]や[ペースメーカー]がいる場合があります。今回も先導のバイクがいたようでかなり速度を落としていた(30km/h前後)ようです。

当然、自転車の速度を落とすためブレーキを[当て効き]させた状態が続き、リム内部に熱がこもる状況に陥りました。ついにリムの耐熱限界に達し、内側から破損したと考えられます。

幸い速度は出ていなかったため落車や怪我にはなりませんでしたが、重大事故にもつながりかねない事態です。

■ リム破損画像1

一番ひどく破損した箇所。発生時はブレーキキャリパーがめり込んでいました。ブレーキシューも溶け落ちて使用不可能。

■ リム破損画像2

反対面。カーボンに亀裂が入り表面が剥がれています。

■ リム破損画像3

リムテープ外していませんが内部もメチャクチャに破損しています。ちなみにチューブも熱で溶けて裂け、タイヤのビード部分も溶けていました。

■ 検証
[カーボンリム=熱に弱い]はもはや定説ですが身近で発生すると再認識させられます。
カーボンホイールを使用しているライダーなら熱による破損を防ぐため、ブレーキングにも気を使います。当然T氏もツーリングやトレーニングで何度も使用しており、問題には至っていませんでした。が、今回は先導車の直下、[自分のペース]を保つことが難しい状況でした。

■ クリンチャーとチューブラーの違い
取扱やすさから昨今爆発的にラインアップが増え、普及し始めた[カーボンクリンチャー]に関しては[チューブラー]と比較してもより問題が多いこともわかっています。

構造的に[チューブラー]はタイヤをリム表面に接着するだけです。対して[クリンチャー]はタイヤビード(縁部分)をリムのフックに引っ掛けてチューブ内圧によって固定しています。

ブレーキ熱によるリム変形が発生した場合、[クリンチャー]はリムのブレーキ面の変形によりタイヤを嵌める部分まで変形が起こり、更には熱がチューブに伝わり内圧がより強くなりタイヤが外れたり最悪の場合、今回のようにリム破損につながります。

■ メーカーの対応
今回のFFWD(ファストフォワード)※1に関しては熱による破損に関しては通常ワランティ※2が適応されるらしい。

※1.代理店JPスポーツ
※2.リムを通常価格の50%にて購入可能。(2年保証)

まず、ショップの立場からメーカに対して疑問に思う点が幾つか…
① 問い合わせ時に[熱による破損かも]と話したが実物検証もしないで熱による破損と断定。→通常ワランティ対応とテメーの都合のいいコンボ決めてきやがった。ちなみに成型不良(初期段階)の場合は無償交換らしい。調べたら成型不良が原因かもしれねーじゃァねェーか!まぁ第三者機関にでも出さなきゃ揉み消されるだろうが…

②保証書には一切熱による破損の危険性があることを明記していない。これに関しては死亡事故でも起きたら裁判で負けるでしょう。

なにより、MAVIC(マヴィック)で同じような事案(熱によるリム変形)が発生したときは四の五の言わず即、交換作業も含めすべて無償対応してくれたのでなおさら不信感倍増。

今回の件でFFWD社がクソなのかJPスポーツがクソなのかわからんが、どちらに対しても不信感が募ったことは言うまでもない。

■ 総括
メーカー対応には非常に腹が立ちますが、破損によって大事故(怪我・死亡)に繋がらなくて何よりでした。ホイール直してくれても怪我したり死んでしまえば元も子もないですから…

ヒルクライムレースのダウンヒルでは[先導車から離れる]やアルミホイールを持参するなど対策し、十分ご注意下さい!

とは言え、使い方さえ気をつければ取り扱いやすく、[有効な武器]となります。カーボンクリンチャーをご希望の方はお気軽にご相談下さいm(__)m

情報提供:長野 自転車 スポーツサイクル カーボンホイール – CYCLE INFINITY –

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