先日入庫した修理車両に気になる事案があったのでご紹介します。
【序】
スポーク交換で入庫した自転車ですが、ふとフロントブレーキのVブレーキシューを見ると大幅にズレてタイヤに接触しそうになっていました。
ついでに直そうとブレーキシューを見るとスペーサーがメチャクチャに取り付けてあるじゃァないか!しかも何故かスペーサーの数も足りない。結局スペーサーを補填しつつ本来あるべき位置に修正しました。(もちろんサービスです)
まぁお客様自身で付けたのだろうと納車の際に確認したらなんと[地元チェーンの某ホームセンター]で交換してもらったとのこと。「こんな仕事して金取ってんじゃねーよ!」と(心の中で)憤慨しつつお客様には直した事実のみ伝えました。とはいえブレーキという重要箇所なので大事故にもつながりかねない深刻な事態です。
実はユーザー自身で交換すると結構起きやすい事案です。(ショップでやってもらった結果としては論外。返金+謝罪レベル。本当に事故が起きなくてよかったです)
今回はDIYする方に向けVブレーキシューの正しい取り付け方をご紹介します。
■ Vブレーキシュー
分解するとこんな感じ。順番としては↓
・Vブレーキシュー本体
・凹スペーサー(厚or薄)
・凸スペーサー
・キャリパー本体
・凸スペーサー
・凹スペーサー(厚or薄)
・平ワッシャー
・取付ナット
※凹スペーサーはリムのクリアランスによって厚⇔薄と入れ替えて調整します。
※外す際に取付順を確認しておくと確実です。
■ スペーサーの取付
スペーサーの取付向きも重要です。
①が正しく凹凸を合わせることでトーイン調整や微妙な角度調整が可能になります。
②は背中合わせになってしまい角度調整が出来ないどころか緩む原因にもなります。
③④は凹凸合わせすらしておらず論外。
ちなみにロードのリムブレーキもDIY失敗している方がいますのでご紹介します。
■ キャリパーブレーキシュー
キャリパーブレーキの場合、順番や向きに注意。
・ブレーキシュー本体
・凹スペーサー
・キャリパー本体
・平ワッシャー
・取付ボルト
ブレーキシュー本体のテーパー面と凹スペーサーの凹みを合わせることがポイントです。※結構間違えて取付ける方がいます。
いかがでしたでしょうか?ブレーキは命のかかる大事なパーツの一つです。
摩耗や位置がズレている場合も重大な事故につながりかねませんので、今一度ご自身の自転車を見直してみてはいかがでしょうか?
DIYの注意点をご紹介しましたが自信がない方は信頼できるショップにご依頼ください。
情報提供:長野 自転車 スポーツサイクル CYCLE INFINITY